英文法2026年9月21日·8分で読める

There is と Have の違い:あるの言い方

「庭に猫がいる」を In the garden has a cat. とは書けません。英語の have の主語は「所有者」になれなければならず、庭は猫を所有していないからです。日本語は「庭」という舞台が文を回しますが、英語は文を二つに分離します。存在なら There is a cat in the garden.、所有なら Ken has a sister.。判断のルールはただ一つ——主語に「誰/どんな所有者」を座けられるか、です。

著者: Raheel Ashraf

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「ある・いる」は日本語で最も便利な動詞の一つです。庭に猫が「いる」、机に本が「ある」、会社には問題が「ある」、私には時間がない。英語はこの便利さを二つの文型に分割して受け止めます。存在の There is / are と、所有の have です。分割を知らないまま英作すると、In the garden has a cat. や There have many people. という、日本語の「ある」が英語の have に直通した文が量産されます。ここを直すには、動詞の選び方ではなく主語の選び方を変える——この記事はそこを扱います。


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「庭に猫がいる」は何を生むか

誤文 In the garden has a cat. が生まれる工程を覗いてみます。日本語話者は「庭に」を文的な主語として感じます。「庭は猫がいる」とも言い換えられますし、実際この二重主語的な構造は日本語では自然です。そこに「〜を持つ」の意味を持つ has を被せると、主語の座に庭が鎮座した In the garden has a cat. ができる——文法の暴走ではなく、日本語の主語感覚のそのままの輸出です。

英語側には二つの締め付けがあります。第一に、英語の文は主語を必ず要求します。日本語のように「昨日、大雨だった」を It was pouring yesterday. の主語 It で埋める言語です。第二に、have の主語は所有者でなければなりません。所有者たり得るのは人・会社・家族・身体・そして部分を伴う物など、「持っていると言える」ものだけです。庭は猫を所有しない。だから has が座る椅子がありません。

では場所を主語にできない文はどう作るのか。英語はここに合わせて存在の文型を持っています。There is / There are です。主語の椅子には意味のない形式的な主語 There を置き、本当の主語(a cat)を後ろに控らせ、場所(in the garden)は文末の前置詞句に回します。There is a cat in the garden.——「庭がある、猫が、庭に」という語順は日本語からすると倒置ですが、役割の分担は日本語より厳密です。日本語の「ある・いる」が舞台・存在・所有を一つで済ませるのに対し、英語は所有者が主語に立てる時だけ have を許し、立てられない時は There 構文で開くのです。

図解:日本語の「庭に猫がいる」は英語で存在文 There is a cat in the garden と所有文に分離される。場所を has の主語にはできない日本語:舞台が文を回す庭 |に| 猫 |が| いる → 「庭は猫がいる」もあり英語:存在は There 構文へThere is a cat + in the garden(場所=文末の前置詞句)英語:所有だけが have を使えるKen has a sister. / The house has a garden.(所有者が主語)
同じ「ある・いる」でも、主語に所有者を座けられる文だけが have を使えます。

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存在と所有を二つの文型に分離

判断の一問一答版がこれです。「持ってる」と言って自然な主語が浮かぶか?浮かぶなら have、浮かばず「そこに在る」だけなら There is / are。所有の have は物理的な持ち物だけなく、特徴・家族・約束・不調まで範囲に含みます。She has blue eyes.(彼女は青い目をしている)、I have a meeting at two.(2時に会議がある)、He has a bad cold.(彼は風邪をこじらせている)——すべて「彼が持っている」と言える関係です。

日本語英語の選択理由
庭に猫がいるThere is a cat in the garden.庭は猫を所有しない=ただの舞台
ケンには妹がいるKen has a sister.ケンを主語に「持っている」と言える
机の上に本が二冊あるThere are two books on the desk.机が本を所有するとは言わない
この計画には問題があるThis plan has a problem. / There is a problem with this plan.計画を所有者に見立てても、with で開いてもいい
公園に子供たちがたくさんいるThere are a lot of children in the park.公園を子供たちの所有者には見立てない

表の下から二段目が注意点です。「この計画には問題がある」のように、抽象的な所属はどちらの視点も取れます。This plan has a problem.(計画を所有者に)とも、There is a problem with this plan.(問題を舞台に提示)とも。つまり There と have の境界は絶対の壁ではなく、「所有者として扱うか、舞台として扱うか」という視点の選択です。ただしどの視点を選ぶ場合でも、場所をそのまま have の主語にする道だけは通れません。In this plan has a problem. は成立しません。

もう一つ、見落としがちな英語の約束事を。have got(英米口語で所有)も同じ領域です。I've got a question.I have a question.——この got 系列に there is は出てきません(There's got a cat in the garden)。所有の道具と存在の道具が完全に別物であることの証左です。


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There is / are の形と数合わせ

There 構文の作動原理は「主語の椅子に形式的な There を置き、本物の主語を後ろに回す」ことでした。英語の文は主語が空欄になれないので、そこを埋めるのが There の仕事です。そして肝心なのは——動詞の数は、前にある There ではなく、後ろに控える本物の主語と一致するということです。

単数・不可算There is a bank near here. / There is some milk in the fridge.
複数There are two banks near here.
疑問Is there a pharmacy open? / Are there any eggs left?
否定There isn't a bus after midnight. / There aren't any good cafés here.
過去・未来・助動詞There was a lot of traffic. There will be a meeting. There might be a delay.

縮約の扱いは実用上の論点です。書き言葉では There is / There are、会話では There's / There're が自然で、さらに口語では There's two banks near here. のように There's+複数も耳に入ります。これは乱れというより慣用で、親しい会話ならそのまま使えます。ただしメール・レポート・試験では There are two banks. が安全です。動詞を There ではなく後ろの名詞と一致させる、という原則に立ち返れば判断は迷いません。

並列の時に何が動詞を決めるかも押さえておきましょう。原則は「最初に控える名詞」です。There is a pen and two notebooks on the desk.(ペンがまず来て、それからノート二冊)。書き物で気になるなら There are two notebooks and a pen on the desk. と大きいほうを先にすれば済みます。そしてもう一点、There is / are と進行形・助動詞の合わせ技も可能です。There's someone waiting outside.(外に待ってる人がいる)、There could be a better way.——「誰か/何かがそこに在って~している」と日本語の情景描写をほぼそのまま運べます。

クイズ:正しい文を選ぼう(全7問)

Q1.「庭に猫がいる」はどれ?
Q2.「この街にはたくさんの公園がある」はどれ?
Q3.「机の上に本が二冊ある」はどれ?
Q4.「駅の近くにコンビニはありますか?」はどれ?
Q5.「健には妹がいます」はどれ?
Q6.「一瓶の水が冷蔵庫にある」はどれ?
Q7.「昨日、広場に人が大勢いた」を自然な英語にすると?

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なぜ a / an が付きやすいのか

There 構文は「新情報の案内役」だと言うと少し硬いですが、機能はこうです。聞き手の知らないものを話題に載せる時、英語は a / an の不定冠詞で「名前は知らないけど一つあるよ」と合図します。そしてその合図と最も相性の良い文型が、ほかならぬ There is / are です。There's a new café near my station.(駅の近くに新しいカフェができた)。

逆に the は「双方がすでに共有している」印なので、There is + the の組み合わせは原則すれ違います。There is the cat on the roof. が変なのは、載せる前から知っているものを載せようとする矛盾です。猫の件が既知なら、話題の主語に座らせて The cat is on the roof.(その猫、屋根の上にいるよ)と言います。新情報の提示は There is + a、既知の情報なら主語に the + be 動詞——ここが冠詞の選択と直結する箇所なので、冠詞 a / an / the のガイドと合わせて読むことをおすすめします。

数量表現も There 構文の常連です。数えられない名詞は a 無しの不可算で通過します。There was a lot of traffic this morning.(今朝は渋滞がすごかった)、There's some good news.。疑問・否定では any に交代し、Are there any good restaurants around here?(この辺にいいレストランある?)。「いくつかある/いくつもない」の全体系が some と any のガイドにまとまっています。存在文は冠詞・数量語・some / any の総合練習場でもあるのです。

数える名詞が並ぶ時の「数の焦点」も確認しておきます。There are four people in my family.(家族は四人います)——日本語の「家族に四人いる」の主語は家族ですが、英語で主語の椅子に座るのは four people(人側の語群)か、My family has four people. の family(所有視点)のどちらかで、In my family has four people. はまた場所主語の道です。可算・不可算の区別そのもので止まる人は 可算・不可算名詞のガイドが土台になります。


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両方可だが景色が違う場面

実用上いちばん気になるのは、両方言っていいのに意味が少しずれる領域です。建物の一部なら、所有視点と存在視点の二つがどちらも使えます。My room has a balcony.(私の部屋にはバルコニー付き)と There is a balcony in my room.(私の部屋にバルコニーがある)——前者は「部屋の特徴」、後者は「部屋の中に目撃物」。街・会社も同じで、Our town has a new library.(ウチの街は図書館持ってる)と There is a new library in our town.(新館が建ったよ)では、話の焦点が街か図書館かが入れ替わります。

体の部分・特徴は have 一択:She has long hair. / He has a tattoo on his arm.(×There is long hair on her)
一時的な滞在者は There:There are five students in the classroom.(教室が学生の所有者ではない)
会議・所属の団体は have:The company has 200 employees.(会社は保有者として扱える)
物語の幕開けは There:童話やジョークが There once was a fox... と開くのは、新情報を世間に解き放つ行為そのものです。

選択の基準を一文で置きます。「主語を所有主として売り出したい」なら have、「対象のほうが主役で、主語は舞台にすぎない」なら There is / are。同じ事実をどちらもで言い換えられる練習は、視点の切り替え練習として非常に効きます。自分の家の周りを五つ、have で言い、同じ五つを There 構文で言い直す——二分程度で終わるのに、両者の境界が口に刻まれます。

have を進行形にしない領域:所有・特徴・家族の have は状態動詞なので I am having a sister. は不可です。ただし「食べている・やっている」の have(having lunch, having a meeting)は進行形になります。所有と動作の二つの have を区別しておくと、「妹がいます」を進行形にすべきかどうかの判断も、一発でつきます。

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ミス一覧と練習法

この単元の誤りは、ほぼ四型に集約されます。全部に共通するのは「ある・いる」の一体感を英語に輸出してしまうこと。直しの方向も同じで、主語の資格を見直すことです。

There have many tourists here.There are a lot of tourists here.(There と have の合体は存在しない。There は主語の椅子、have は所有の動詞)
In Osaka has a lot to see.Osaka has a lot to see. / There is a lot to see in Osaka.(場所を主語に座らせるなら、所有視点の大阪へ組み替える)
On the table has two cups.There are two cups on the table.(「〜の上に」は文末の前置詞句へ退避)
My family is having three people.There are three people in my family. / My family has three people.(所有は進行形にしない+数は後ろの名詞と合わせる)
There is the restaurant we ate at last time.The restaurant we ate at last time is on that corner.(既知情報は There ではなく主語に the で座らせる)

練習の中心は写真描写です。部屋や街角の写真を見開いて、There 構文だけで十文(There is a lamp on the table, There are some books...)、次にその情景を所有視点で三文(The room has a big window, This photo has a warm feeling...)。存在と所有の二つの箱を毎回往復すると、「ある・いる」の分割が目に染みてきます。そしてもう一つ、書き物の巡回では主語の欄だけをのぞいてください。主語の座に場所がいたら There 構文へ、人がいたら have を疑う。日本語の「庭に猫がいる」の「庭」を英作文の入口で見てしまう癖は、この巡回で上書きできます。

日記や自己紹介の下書きは、無料の英文法チェッカーで There have / In the garden has 型の転移を潰せます。主語の置き方そのものは 日本人が主語を落とす癖のガイドと地続きで、他の単元も ブログ記事一覧から辿れます。

練習のコツ:主語の椅子に誰を座けるか一人決めて言う

「庭に猫がいる」を英作する時、発射前に決めます。椅子に座るのは庭か、猫か、それとも形式的な There か。所有者を売り出したいなら庭(The garden has a pond.——庭の一部なら可)、猫を話題に載せたいなら There is a cat...。迷ったら There。主語選びの一停止が、この単元全勝の鍵です。

声に出す練習は五感で。朝の部屋を見回して There's light coming through the curtain. There are two mugs in the sink. The flat has no view, but it has a balcony. 存在と所有を三分に一度の頻度で切り替えると、二つの文型が別々の口癖になります。

最後に変な例を許容しないこと。There has a cat in the garden. を「間違い」として放置すると、また混線します。There は主語を置くための土台で、have は所有の動詞——椅子とエンジン、混ぜるな危険です。

まとめ

日本語の「ある・いる」は英語で二つの文型に分離します。所有 have:所有者が主語(Ken has a sister./She has blue eyes./The house has a garden.)。存在 There is / are:There は主語の椅子、動詞の数は後ろの名詞と一致(There are two books on the desk.)、場所と新情報は文末へ(There is a cat in the garden.)。場所を have の主語にはしない(In the garden has a cat. は不可)。新情報提示では a / an、既知なら主語に The + be。口語の There's+複数には耳を慣らすけれど、書きでは are。迷ったら「主語に所有者を座けられるか」を一問一答——それだけで半分は正解です。

よくある質問

なぜ場所を have の主語にできないのですか?

英語の have は「所有者」の主語を要求するからです。庭は猫を所有できません——そこに一時的に居るだけですから、存在の文型 There is a cat in the garden を使います。ただし場所が「所有者に準じる」関係なら別で、The house has a big garden.(その家には大きな庭がある)は成立します。庭は家の一部であり、家的特徴の「持ち分」だと見なされるからです。基準は主語が「持っていると自然に言えるか」です。

There is many people は文法違反ですか?

書き言葉では違反です。There 構文の動詞は、後ろに控えている本当の主語と数を合わせます:There are many people.。ただし会話では There's some guys outside のように There's+複数が大いに聞かれ、口語の許容として定着しつつあります。策略はシンプルで、話すときは気にしすぎない、書くときは数を合わせる。テストやメールでは There is many people. は減点対象です。

There is the book on the desk はなぜ変なのですか?

There is / are は「新たに話題に載せる」機能の文型で、載せる対象は聞き手の知らない新情報だから a / an が標準です。the は「双方が共有している情報」を指すので、There is the book on the desk. だと「その本は知ってるよ」という前提が先に立って変です。その前提を活かすなら、主語に据えて The book is on the desk.(その本、机の上にあるよ)と言うのが正しい形です。

「〜には〜がある」は結局どう訳しますか?

二つの正解ルートがあります。存在として開く There is X in Y.(There is a new café near my station.)と、Y を所有者に見立てられる場合の Y has X.(My neighborhood has a new café.)。崩れるのは In Y has X.(×In my neighborhood has a new café.)で、場所を主語に座らせるルートです。Y が人・会社・家族・身体など所有の主体なら has、単なる舞台なら There is——主語の資格で判断してください。

不可算名詞の「ある」はどう言えばいいですか?

There is + some+名詞の形で開きます。There is some milk in the fridge.(冷蔵庫に牛乳が少しある)、There was a lot of traffic this morning.(朝は渋滞がすごかった)——水や渋滞は数えられないので a も複数も付きません。疑問文では any に代わり、Are there any eggs left?(卵はまだある?)、否定は There aren't any eggs.。不可算名詞そのものの区別は、ブログ内の可算・不可算名詞のガイドが土台になります。

その文の主語、所有者になれていますか?

書いた英文を PromGee の無料チェッカーに貼ると、There have や In my family has 型の「ある・いる」転移を拾って、存在と所有のどちらの文型に直すかを日本語で提示します。写真描写の練習と併用すると効果てきめんです。

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参考資料・出典

本ガイドは定評のある英文法リソースに基づいています。さらに学びたい方は以下の参考資料をご覧ください。